文化の達人から聞く、小坂の魅力。
それぞれの旅館の良さをお互いが知って、いっしょに小坂の将来を考えていきたい。湯屋温泉 泉岳館 女将熊崎泰子さん
「何もない」ということを、逆に素敵に思ってもらえるような旅館づくり

飲泉場  昭和50年代に、団体旅行の流れがあったでしょ。当時はね、忙しいことだけが頭にあって、顧客管理も何もないんやさ。「こんなことでいいのかな」と思ってな。それからバブルがはじけたりして、大きな温泉地と同じことをやっててもあかん、ここはここの良さを活かさんと生き延びられないぞ、と。
 そんな中、うちら夫婦、結婚記念日とかには旅館を休みにさせてもらって、必ず一泊二日で旅行に行くようにしとったの。宿はいつも、小さくて団体がいなくて、のんびりできるところを選んで。ふと気付いたのは、選んだ宿には必ず同じ提灯があるんやさな。それが「日本秘湯を守る会」に加盟してる宿のしるしやったの。それで、会の理念とかそういうことを教えてもらって、「これはまさしくうちの宿にぴったしや」と思ったの。
 すると当時、会員を拡大するっていう話があって、たまたまうちが推薦されてな、お湯は集中管理じゃなくて源泉を持っているし、しかも飲むこともできる炭酸泉で、宿は仰々しいビルディングでなく木のぬくもりがある二階建てでとか、条件がはまったんやね。他にもいろいろ約束事があって、「カラオケで騒いだりはダメ。地元産、そこの土地のものが食べられること」とかね。だけどそれは私がやりたいことやし、うちの社長(=ご主人)もやりたいと思ったことなもんで、「あぁ有り難いなぁ」っていう感じで、そこから今があるんやさな。

温泉  うちにみえるお客様には、時間を忘れて、日頃の慌ただしさを忘れて、とにかくのんびりと一日を過ごして頂きたい。
 たとえば、夫婦2人だけでのんびり話すことって、ふだんの生活では意外とないじゃん。ここに来れば、上げ膳据え膳でね、それこそ何も片付けんでいい、お布団もね、何もせんで、ゆっくり温泉に入って、語ってください、同じ時間をゆっくり過ごしてください、そういう旅館にしたいの。私自身が、旅に出てそうしたいから。
 私はあえて蛍光色より電球色が好きなの。あとローソクの灯りにすっごく癒されるもんでね。だから「なんて暗いんだこの旅館は」と言われても、もちろん「申し訳ございません」とは言うけれど、「だけどうちはこういう宿なんです」と、ちゃんとお伝えする。チンカラチンカラ明るい宿をお求めなら、下呂温泉とかね、大きいホテルに行っていただければいいのであって、うちはうちとして個性豊かな旅館づくりをしていく、それによってお客様に喜んでいただきたいの。ある意味、「何もない」ということを、逆に素敵に思ってもらえるような。

 「小坂には何もない」なんてね、分かったようなことを言う人がいるんやで。私なんかは、そういう人に対して「え~っ」て思うのね。こんな素敵なところに生まれ育ってさ、こんな自然豊かな春・夏・秋・冬があって。季節ごとにおいしい食べ物があってね。
 うちらは、そんな小坂の魅力に、炭酸泉の魅力を掛け合わせていきたいわけ。炭酸泉を飲めば胃腸にいいし、美容にいいし、温泉に入ればあったまるし、血圧下げるし、薬よりもいいものがここにあるんやで、何より、地元小坂の人たちに、もっともっと炭酸泉を知ってもらいたい。自分が知らなければ他の人に言えないわけだから。

 そういう私自身もさ、自分の旅館のことは知っとるけど、他がどうしてみえるのか、どんな料理をお出ししとるのか、知らんもんね、お互い。
だから、女将みんなでね、泊まりがけで、打ち解けた話、いろんな話が出来たらいいと思うの。そんな親密な間柄がつくれたらうれしいなぁ。

泉岳館
>> http://www.sengakukan.co.jp/

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