自然の達人から聞く、小坂の魅力。
撮り続けてきた滝の写真を使って
何億年を股にかけた地球の記録を残したい。
 和合 正さん
地球の歴史、変化を顕著な形で表しているのが「小坂の滝」の姿

 まずはおれ、小学生の頃から魚釣りばっかりしてました。一方で、高校の頃から沢登りもやっとってね。大学時代は、夏休みには1ヶ月バイトやって、もう1ヶ月は山に行くみたいな、勉強もせんと、山ばっか歩いとった。
 そんなわけで、山は、自分の中ではずっと切っても切れん存在やったんよ。50歳になって、なぜだか急に釣りをやめてね、それから滝の写真を本格的に撮り始めたの。
 名古屋に堀田季知史さんていうすごい写真家がみえてね、この人は、その日の天候やら風土条件を前もって調べつくして、例えばもう最初から「この時間に、この背景に虹が架かる」ってことを予測して、その瞬間、ほんの一瞬を逃さず写真に撮るんやな。おれはその考えに感銘を受けて、そういう姿勢で写真を撮っとるんや。

 撮った写真を使って、おれは滝の「記録集」を作りたいと思っとるの。ただ見てきれいな写真集じゃなくて、その背景にあるものまで含めて、きちんとした「記録」として残したい。
 「何を記録するか」、それは大きい言い方をすると、「地球を記録する」ということ。滝の周辺で見られる地形やら、そこで採れる化石とかね、それはもう何億、何十億という記憶を持っとるわけ。「巌立」が5万4千年前やなんて言っても、これらの石から見たら、ごく最近のことなのよ、そんなものは。地球規模でいえば、昨日起きたことなんよ。「記録」の中に、そういうものの見方が入ってくるわけやな、当然。
 日本中に、見事な滝っちゅうのはいくつもあるわな。だけどそういった地球の歴史、変化が顕著に見えるのが「小坂の滝」の形なんやて。

 滝のガイドに関しておれが一番重きを置いとるのは、ガイドが「自分のものの見方、考え方をきちんと持つ」ということ。「あれは何、これは何」ってことを説明するだけなら、専門の学者がやればええんやで。見て感じてもらえればいいことを、いちいち説明することはないし。説明より、感じることの方が大事やろ。もし俺らが話すことがあるとしたら、「そういうものを通して自分がどういうものの見方、考え方を身につけてきたか」ってことやないかな。

 おれの考え方はね、過去にこだわる必要もない、未来のことを考えてもしゃあない、人間、いま生きとる時間を大事にして、精一杯生きるってこと。今の積み重ねひとつひとつが自分の姿を作っていく、それが結果として未来を作っていくだけのことでね。
 釣りはね、魚は、おれを滝に案内してくれた。滝に出会って、滝の写真を撮るようになって、すると人とのつながり、これができたの。こんなふうにね、こういう場(ウェブサイト)で自分の話を読んでもらえるとかね、こういう出会いが生まれるって、不思議なことやないの。

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